ビバリウム

ビバリウム植物の経過(40日目)

「ビバリウム」とは、「生物の生息環境を再現した飼育施設の総称」のことなので、ヤドクガエルや有尾類(イモリ)を飼育するビバリウムには植物が必須となります。
では、ビバリウムにどんな植物を植えれば良いのでしょうか。これがなかなか難問で情報も少なく、二の足を踏んでしまう方も多いと思います。初めてのビバリウム制作から40日以上が経過しました。私のビバリウムに植えた植物がどう変化したか。ビバリウム・パルダリウムへの向き・不向きについての考察を記していきます。重ねてお断りしますが、あくまでもこれらは個人的見解ですので、事実と異なる場合や別の見解がありましたら情報をお寄せ下さればありがたいです。

ビバリウム関連記事目次

順番に記事を読みたい方のために、時系列の目次を記載しておきます。

  1. 初めてのビバリウム制作
  2. ビバリウム動画と植物紹介
  3. ビバリウム・パルダリウムの照明についての考察
  4. ビバリウム植物の経過(40日目)
  5. コバルトヤドクガエル飼育開始
  6. ベントリヤドクガエル飼育開始

ビバリウムの環境

「パソコンデスクの上の熱帯雨林 Tropical rain forest on the PC desk」

ケージ:ワイルドスカイオリジナル ビバリウム用自然通気式オールガラスガラスケース 60*45*60cm
照明:ボルクスGrassy LaDio RS122 FW(21W)*2、RW(21W)、クリスタルエリート20 RGB+C(20W)
ビバリウム・パルダリウムの照明
ビバリウム・パルダリウムの照明
私のビバリウムは20Wのスポット型LEDを4基設置しています。通常はこんな強力な照明を使用することはまずありえませんが、参考までに…
ミスティング:Foresta(フォレスタ)自動ミスティングシステム
気温湿度計でリアルタイム監視。ケージ内気温は23~28度。29度を超えると24時間エアコン管理。1日7回(8:00、10:30、13:00、15:00、18:00、21:00、0:00)各1分間噴射で常時湿度70%以上をキープするように心がけています。

ビバリウム植物の凡例

私の主観による評価です。ただし、あくまで私のビバリウム環境においての変化なので、温度・湿度・照明・通気性などによって評価が変わることをご了承下さい。
現在の状態:立ち上げから1ヶ月以上経過した段階での植物の調子を表します。
 ◎=絶好調。大きく成長している。
 ○=調子良く維持できている。新芽を出して成長している。
 △=どちらかといえば衰退している。色褪せ・徒長して観賞価値が低下している。
 ×=枯れてしまっている。
成長の速さ:草丈やランナーによる子株などの成長速度を★(遅い)~★★★(速い)までの3段階で評価。
お勧め度:この植物が高温多湿なヤドクガエル用ビバリウムに向いているかどうかを★(適性低い)~★★★(適性高い)までの3段階で評価。

ビバリウムの植物の経過

2018年6月3日のビバリウム全景
ビバリウムh
2018年6月12日のビバリウム全景
ビバリウムh

アナナス(Ananas)系

ネオレゲリア “ウィニーザプー”(Neoregelia “Winnie The Pooh”)
現在の状態:○
成長の早さ:★
お勧め度:★★
Neoregelia Winnie The Pooh

Neoregelia Winnie The Pooh
成長の速い周りの植物に囲まれてしまいましたが、ゆっくりと成長を続けています。根元にコバルトヤドクガエルが産卵するなど、タンクブロメリアの役目もしっかり果たしています。

フリーセア “ヒエログラフィカ”(Vriesea “hieroglyphica”)
現在の状態:○
成長の早さ:★★
お勧め度:★★
フリーセア ヒエログラフィカ

フリーセア ヒエログラフィカ
新芽も出て大きく成長していますが、根元の葉は枯れてしまっています。かなり丈夫な種類なので調子を落とすことは考えにくいですが、壁面に設置した角度が良くなかったのだと思います。アナナス類を横向きに着生させるのは間違いでした。もっと光の方向=上向きだと、形良く成長してくれるはずです。

ネオレゲリア “チキータリンダ”(Neoregelia “Chiquita Linda”)
現在の状態:◎
成長の早さ:★★
お勧め度:★★★
ネオレゲリア チキータリンダ

ネオレゲリア チキータリンダ
ミニサイズのブロメリアは着生させる場所の自由度も高く、扱いやすい。光量の多いケージ上部に配置することで、赤く染まり始めています。

エクメア “スエノス”(Aechmea “Suenos”)
現在の状態:○
成長の早さ:★
お勧め度:★★
エクメア スエノス(Aechmea Suenos)

エクメア スエノス(Aechmea Suenos)
ゆっくり幅を広げて成長しています。

ネオレゲリア “ファイヤーボール”(Neoregelia “Fireball”)
現在の状態:◎
成長の早さ:★★
お勧め度:★★
ネオレゲリア ファイヤーボール

ネオレゲリア ファイヤーボール
安価な普及種も、光の強いケージ上部に配置すれば美しい赤色に染めることも可能。
タンクブロメリアは強めの光・ロゼットに水が溜まるくらいの湿度・通気性が必要だと思います。壺部分に汚れた水が溜まり続けたり高温で蒸れると弱ってしまうので、新鮮な水が入れ替わりつつも空気が動いている環境がベスト。これだけを見ると非常に栽培困難に感じますが、実は自然通気式ビバリウムで再現可能な環境なんですよね。しかし、照明に関しては光量が足りていないと徐々に衰退していくので、照明をリフト式にして陰性植物をメインに据えるならタンクブロメリアは避けた方が無難かもしれません。

クリプタンサス “ビッタータス ミノア”
現在の状態:○
成長の早さ:★
お勧め度:★★
クリプタンサス レッド

クリプタンサス レッド
本来は地上に生息するクリプタンサスを壁面に配置した弊害で、斜めに歪に成長してしまいました。しかし、その部分を除いてはコンディションは良好だと思います。
グラウンドブロメリアを光量豊富なケージ上部に配置すると発育的には有利ですが、見た目が不自然になってしまいます。ここらへんはキーパーの好みもありますが、タンクブロメリアと同じく光量が少ない場合は有効な選択ではない気がします。

サトイモ系

ポトス “パーフェクトグリーン”(Pothos “Perfect Green”)
現在の状態:◎
成長の早さ:★★★
お勧め度:★★★
ポトス パーフェクトグリーン
ビバリウム内で最強の呼び声も名高いポトス。すごい勢いで成長するので、それを見越したレイアウトが必要になります。緑一色のタイプはポトスの中でも特に耐陰性に優れているので、配置場所の自由度も高いです。

ホマロメナsp.(Homalomena sp. Shark Skin from Sibolga Timur)
現在の状態:○
成長の早さ:★★
お勧め度:★★★
ホマロメナsp.
ホマロメナはアグラオネマに次いでホットな熱帯性植物ではないでしょうか。鑑賞性も高く、高温多湿の環境に適しているのはビバリウムにうってつけ。ただし市販の株は丈が大きすぎるものが多いので、ビバリウム用として考えるなら小さな株を探す必要があります。

フィロデンドロン・スカンデンス(Philodendron scandens)
現在の状態:◎
成長の早さ:★★★
お勧め度:★★★
フィロデンドロン・スカンデンス

フィロデンドロン・スカンデンス
ブロメリアの裏側、ちょっと分かりづらいので矢印で示しました。落ち着くするまでは成長しませんでしたが、一旦定着すると非常に早い速度でつるを上方面に伸ばしています。新葉はホマロメナのような質感。クライマー系は熱帯雨林のムードを盛り上げるので、観賞的にもビバリウム向き。

シダ植物系

ディプラジウム・トメントーサム(Diplazium tomentosum・マレーシア高地産)
現在の状態:○
成長の早さ:★★
お勧め度:★
ディプラジウム・トメントーサム
濡れると青光りする珍しいノコギリシダ。あまり光が当たらない場所に配置しています。高地産=低温の植物は、高温のビバリウムにはあまり合っていないと思われますが、下記の単葉ディプラジウムが不調なのに対してこちらは明らかに成長していて状態良く見えます。この辺りは導入してみないと分からないので、ビバリウムに高地産シダを入れるのはリスクが高いと思います(私は青光りシダが欲しかったので入れちゃいましたが)。

ディプラジウム・コルディフォリウム(Diplazium cordifolium・マレー半島高地産)
現在の状態:×
成長の早さ:★
お勧め度:★
ディプラジウム・コルディフォリウム
2株入手したのですが、小さい方の株は枯れてしまいました。大きい株も明らかに不調。高地産のこの種類のシダはこの環境ではちょっと厳しい感じです。

ハカタシダ(Arachniodes simplicior)
現在の状態:○
成長の早さ:★
お勧め度:★★
ハカタシダ
美しい色のまま維持できていますが、成長しているようには見えず。レイアウトを崩さないという意味では助かりますが、どうなんでしょうかね。このまま慎重に様子を見ていきたいと思います。

ネフロレピス “ダッフィー”(Nephrolepis cordifolia “Duffii”)
現在の状態:△
成長の早さ:★★
お勧め度:★★
ネフロレピス ダッフィー

ネフロレピス ダッフィー
ケージ側面のガラス越しに撮影。丈夫で園芸用ではポピュラーな種ですが、予想に反して大きく衰退してしまいました。完全に枯れた訳じゃないですが、隣のポトスに浸食され続けて弱ってしまったのでしょうか。成長自体は早いので、条件さえ合えばビバリウム向きだとは思います。

ヤリノホクリハラン(Colysis wrightii (Hook.) Ching・沖縄県産)
現在の状態:○
成長の早さ:★★
お勧め度:★★
ヤリノホクリハラン
本来は地上性なので自然な姿にはなっていませんが、壁面に植え付けても適応できてそうに見えます。ただ、LED直下という配置場所のせいか、若干葉焼けしているように見えます。日陰に配置した小さい株の方は調子良く育成できているので、配置場所の問題かと。

アオネカズラ(Polypodium nipponicum Mett.)
現在の状態:◎
成長の早さ:★★
お勧め度:★★
アオネカズラ
予想にに反してどんどん成長しています。シダ植物は日陰に生えているというイメージが強いですが、豊富な光と水を好んで急成長する種類もあるということでしょうかね。

コタニワタリ(Asplenium scolopendrium)
現在の状態:△
成長の早さ:★
お勧め度:★
中南米産のヤドクガエル用ビバリウムに国産の植物を入れると雰囲気が合わないと考えるなら不向きですが、壁面や流木に着生させると森林っぽいイメージが湧くので私は気に入っています。導入後しばらくは調子が良かったのですが、現在は葉の色が悪くなって不調。環境的には外れていないはずなので原因が掴めませんが…要求日照はあまり多くないのでライトがあまり当たらない位置に置いたのですが、もっと光量があった方が良かったのでしょうか。注意しながら観察を続けたいと思います。

ミズスギ(Lycopodiella cernuum)
現在の状態:○
成長の早さ:★★
お勧め度:★
ポトスやネフロレピスと勢力版図を争う激戦区ですが、強健種だけあって見事に生き残って成長しています。さすがにこの形状は和のテイストなので、ヤドクガエル用よりもアマガエルやシュレーゲルアオガエル用(または国産イモリ用)のビバリウムに適していると思います。

つる性植物系

フィカス・プミラ “ミニマ”(Ficus pumila “minima”)
現在の状態:◎
成長の早さ:★★★
お勧め度:★★★
フィカスプミラ ミニマ
園芸店で購入した株をポットの土ごと植え込みました。U字型のステップルで簡単に壁面へ這わすことができるので便利。想定通り匍匐しつつあります。丈夫で成長も早く、小型のプミラ “ミニマ”はビバリウムに最適。

フィカス・プミラ “サニーホワイト”(Ficus pumila “Sunny White”)
現在の状態:◎
成長の早さ:★★★
お勧め度:★★★
単一種のフィカスで統一感を出すか、複数の種類を植えてバラエティー豊かにするかはキーパーの自由。主役がヤドクガエルなら1種類に絞った方が背景がすっきりしますが、私は色んな植物を入れるのが好き(ビバリウムに向いているかテストする意味もある)なので、複数種を導入しています。

ミューレンベギア(Muehlenbeckia)=ワイヤープランツ
現在の状態:○
成長の早さ:★★★
お勧め度:★★★
ワイヤープランツ
少し前までケージの上部通気口から外部へハミ出るくらい急成長していましたが、条件に合わない部分は急激に衰退した模様。条件が合えばどんどん成長するが、あまり耐久性は無いという印象です。

ヒメマメヅタ(Lemmaphyllum nobukoanum・台湾産)
現在の状態:◎
成長の早さ:★★
お勧め度:★★★
フィカスに比べると成長は遅いですが、丈夫で少ない光量や乾燥にも強く丈夫なマメヅタ類はビバリウム向き。

ヒメイタビ(Ficus thunbergii・屋久島産)
現在の状態:○
成長の早さ:★★
お勧め度:★★★
フィカスに比べると成長は遅い。見た目は熱帯雨林のイメージにとても合っているので、機会があればもっと導入してみたい。

ピペルsp.(Piper sp.)
現在の状態:○
成長の早さ:★
お勧め度:★★★
ピペルsp.
新芽も出てきて、今のところは調子は良さそう。ミスティングの度に艶のある葉が美しく輝く。ビバリウムプランツにも鑑賞性を求めるなら、ピペルはお勧めの植物の1つになるでしょう。

観葉植物系

フィットニア(シロアミメグサ)(Fittonia verschaffeltii)
現在の状態:○
成長の早さ:★★
お勧め度:★★
フィットニア

フィットニア
縦方向ではなく、匍匐のように横方向へ成長中。ペルー・コロンビア原産で高温多湿を好む性質は、ヤドクガエル用ビバリウムにマッチします。徒長することもなく美しい姿を保っていますが、このまま成長すると小型ビバリウムの場合はトリミングしないとサイズ的に厳しそうです。薄い色の葉は前景に向いているので、前景草として使うのならちょうど良いのかもしれません。

ヒポエステス “ピンク・スプラッシュ”(Hypoestes phyllostachya “Pink Splash”)
現在の状態:△
成長の早さ:★★★
お勧め度:★
ヒポエステス

ヒポエステス
ヒポエステス
ものすごく根を伸ばしています。日照不足だと縦方向に急成長し光を求めて緑色の葉を伸ばすので、肝心の鑑賞性が激減してしまいました。最初からもっと強い照明直下なら徒長を防げたのか?この辺は検証してなければ分かりませんが、日光が大好きな観葉植物なのでそのままではビバリウムには向いていないと言わざるを得ません。ヒポエステスは萌芽性に優れているので、大胆に剪定して定期的に切り戻しを繰り返すことができるなら、維持することも可能かもしれません。

ソトフオリヅルラン(Chlorophytumcomosum “Variegatum”)
現在の状態:◎
成長の早さ:★★★
お勧め度:★★
オリヅルラン

オリヅルラン
ビバリウム内で最も大きく成長した植物。短期間で背丈が2倍になりました。高さが大きくなりすぎるという点ではビバリウムに向いていないことになりますが、丈夫で安価なので後景草の選択肢に入れてもいいとは思います。

苔系

ヤマゴケ(アラハシラガゴケ)(Leucobryum bowringii Mitt.)
現在の状態:◎
成長の早さ:★
お勧め度:★★★
コケを増やす場合は粉々にして用土へ散布する「撒き苔」をすることが多いですが、このビバリウムでは撒き苔をせず、ヤマゴケ特有の塊のまま導入しています。あまり多湿な環境はヤマゴケに合っていないはずですが、塊のまま導入したので極めて好調。

ハイゴケ(Hypnum plumaeforme wils.)
現在の状態:◎
成長の早さ:★★
お勧め度:★★★
ハイゴケも撒き苔せずそのまま導入したので均一になっていませんが、全体的に状態良く成長しています。ハイゴケはあまり要求光量が多くないというのが通説ですが、光が当たる場所だと明らかに色良く上に伸びているので、多めの光量があった方がベターだと思います。

キューバパールグラス(Hemianthus callitrichoides)
現在の状態:×
成長の早さ:★
お勧め度:★★
生体導入までは好調だったのですが、ヤドクガエルに毎日踏まれまくる場所にあるのでどんどん衰退しています…。キューバパールグラスの水上葉は丈夫なので、茂らせてから生態を導入すれば水景より遥かに容易に緑の絨毯を実現できるとは思います。

ビバリウムの植物
ビバリウムの植物
ヤマゴケから何やら植物の双葉が生えてきました。ビバリウムはまさに「生きている環境」の再現なので、日々変化しています。その変化を観察するのも大きな楽しみに1つです。今後も定期的にビバリウム内の植物の変化や成長をレポートしていきたいと思います!



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